老化現象~なぜ固有名詞を(=から)思い出せなくなるのか

最近、ものの名前を思い出せなくなることが非常に多くなり、老年化の特徴で片づけてはい終わりと、特段本記に書くことでもありませんが、どういう種類のものが思い出せないのかとなると、人名や地名など圧倒的に固有名です。

その理由は簡単で、それがそのほかのものごととの繋がりがないため、一度それを思い出そうと試みてうまくいかない場合、ほかのものごととの関連や連想からそれに近付くことが不可能だからでしょう。人の場合は、顔は浮かぶのだが名前が‥‥。よく知っている人なのに、ふと名前が出てこないと思い出す方法がない!

ほかに、かつて(世界史や日本史の受験勉強で)事件の発生した年号を覚え(させられ)た例も、その事件と起こった年号の間に関係はないため、語呂合わせで覚えたものです。

これが固有名でなければ、連想や関連で、例えばそのものずばりでなくてもそれを表す属性や関連を言うことでそれには近付くことができる。


哲学者の入不二基義氏が昨年脳梗塞になった後も、旺盛な活動を続けられていて、氏自ら「日常生活の場面では不自由になったが、哲学(の思考)をする分には以前よりよくできるようになった」との言が。これは、哲学に関係ない(固有名を含む)日常生活で頭脳を使わず(使いづらくなり)、それらと対照的な抽象的な思考(そこでは固有名とは対照的に多様な連関や連想が可能)に専念できる(せざるを得ない)ためではないかと思います。





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