しなやかに歌って -80年代に向かって-
FAVORな曲の多い山口百恵の中で、MY BEST FAVORITEです。 作譜したのもこれだけです(余力あれば、あと何曲かは‥‥)。あらためて気付いたのですが、こういう副題が付いているのですね。遥かなる80年代‥‥。
1979年9月、作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童。変ト長調、BPM135。ピアノ、ドラムス、ベースの編成。手元収録CDは、GOLDEN☆BEST。主旋律とコードのみの市販譜にも入っています(が、調性が半音高いト長調。変調記号を少なくしようとしたのか)。
さて、何と素晴らしいメロディーライン。しかも、第1、第2、第3主題とあって、サビ。さらに哀愁漂う第4主題?まで付くという豪華版(と、私的解釈)。随所に宝石のような響きが散りばめられています。
まず、イントロ。サビの旋律が出てきますが、最後に音を伸ばすところのコード、半音上にずれたDmaj7。何ともはや‥‥。
全体的に、G♭、A♭m7、D♭7の3種類のコードで組み立てられていますが、それらを繋ぐ箇所に素晴らしい工夫が。第1主題は8分音符で細かく刻まれていますが、3小節目にあるFm7ー5→F7の箇所。半音ずつ上がっていく感じ、特にF7のきらりと明るい輝き。
第2主題は逆にゆったり朗々としたメロディー。ここも2小節目に、B♭7が明るく素晴らしい半音変化を。その直後に明るいBのコードになってますが、ここは基本のA♭m7の方が宜しいのでは。少し陰りのある響きなので。
第3主題、これまた秀逸。休符が多く、その合間にG♭、A♭m7のひっそり控えめな分散和音が。
サビは、D♭から1オクターブ駆け上がるアルペジオに伴われ、その1オクターブを一気に落ちてまた半音上げる(D♭→D)という絶妙の展開で、コードA♭m7へ接続。この半音上げる箇所、こんなのを思い付くのか!
そして第4主題。これがmy best favorかもしれません。少し寂しいメロディー、コードはBm6→G♭→A♭m7-5→G♭ですが、聴き取りでは3つ目の和音にE音が入っているので、ここのコードはEにしたいと思います。
それにしても変ト長調(G♭)~♭が6つ!(または嬰ヘ長調(F♯)~♯が6つ)たいへんです。尤も、サビの繰り返しの終わりの方で、調性が半音上がってト長調になるので、終わりはすっきりと。
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