PART OF YOUR WORLD
以前より何回も耳にしながら曲名が分からなかったけれど、この夏にAPPLEのテレビCMでようやく判明しました。ドレミから始まり7度下降分散和音?に至る本当に短いサビが印象的で、じわじわと心に残り続ける。このサビの前半、ベース音がF→E♭→D→D♭というmy best ”TSUBO” の半音下降で、D(メジャーコードが乗る)→D♭(マイナーコードが乗る)の推移がbest of best ”TSUBO”
1989年、作詞:HOWARD ASHMAN、作曲:ALAN MENKEN。手元収録CDは、歯切れ良いアップテンポなものをということで、スタジオ背景用としての「DISNEY DANCE EXPRESS」で、アーティストはショコベリひろみ。作譜はヘ長調、BPM150、ピアノ、e-ベース、ドラムスに加え、バリトンサックス。CDタイトルにもあるとおり、ディズニーのリトルマーメイドの挿入歌?です。
イントロは3部分に分かれ? その1は、
F|F|F/D|F/D|F/B♭|F/B♭|F/C|B♭/C C7|
その2は、
B♭|Am Dm7|B♭|Am Dm7|B♭|Am Dm7|Gm7|Gm/C C7|
なお、ドラムスの最後の最後にシャーンというシンバル音?(と同時にクラップ音?)が入ります。このシャーンは、各パートの最後の拍、要所に入っていますが、ドラムスパートは曲全体を通じこれ以外はすべて同じ基本形のリズムを通しています。作譜的にはすごく楽です!?
その3は、
F|G/B|F|G/B|F|G/B|F|B♭ C7|
8小節目はファラド→ソシレですが、直後に接続する第1主題がドミソなのでラ→シ→ドと、見事なつなぎになっていて、これは、かつてPRINCESS PRINCESSの「ダイヤモンド」の投稿でmy favorとして記したことをふと思い出しました。この主題部分の頭のドミソに繋がる役目のファラド→ソシレもmy favorパターンの一つであること再認。
第1主題は、
F|F/A Am7|Fsus4/B♭|Gm7/C C7|Dm7|Am7|Gm7/C|C7|×2
マイナーセブンコードが多用されている割には軽快で明るい雰囲気に溢れ、4小節目の歌詞がアフタービートに乗って弾むところなど特に素晴らしい。歌詞の1番では、(繰り返しも含め)6~8小節目がボーカルがメロディーではない語りになっていて、当初ここをどう作譜すべきか、全くボーカルパートを省略するか考えましたが、できるだけコードと喧嘩しない音程で「語り」を入れることに。もっとも、この部分は参照音源でもピアノがボーカルとユニゾンになっており、またこれまでの作譜でもピアノでボーカルをなぞるスタイルを取っているので、作譜もピアノの左手で本来の(歌詞2番では歌っています)メロディーを継続しました。
上記でイントロからの繋ぎがfavorだと記しましたが、この主題の繰り返しの直前にピアノで「シドーレ」と入る繋ぎがまた素晴らしい。
サビは、
F|F7/E♭|B♭/D|B♭m/D♭|F/C|B♭/C C7|F|F
冒頭でも記したように、まったく素晴らしいの一言。第1主題の明るさは、いわばマーメイドの海の中での楽しい生活とすると、このサビは、それでもやはり陸の上の人間の世界への(実現できない)憧れを強く歌ったものでは(と、勝手に想像しています)。
この後、イントロその2とその3、さらに第2主題?が入り、間奏のようになっています。
第2主題は、
B♭|C|F|Fsus4 F|B♭|C|F|Fsus4 F|B♭|C|A7/D♭|Dm|Gm7|Gm7|C7|C7
これも前半は海の中の生活(明るい)、後半は陸への憧れ(陰りが‥‥)、と。特に11小節目のA7/D♭はマイナーコードに聴こえ、憧れの強さが滲みます。
なお、バリトンサックスは、e-ベースと掛け合うように終始ベース音をアフタービートで刻んでいますが、これが控えめなドラムスを補うかのように軽快なリズム感を支えていて、影の主役かなと。
以前テレビの音楽番組で、ディズニー映画の曲のランキングをやっていて、その第1位は何とこの曲でした。番組出演の音楽評論家?が、その理由として、「~したい(I want to ~)という願望の表出」~海の中から陸上の人間世界に行きたいというマーメイドの望み~は、従来ディズニー映画の本来のテーマだったのだが、この作品で本来の方向に戻った、などということのほかに、サビの部分のメロディーの下降~通常は最後盛り上げるために上昇~が静かにその願望の強さを聴く人に与えていること、を挙げていました。分かる人には分かるなあ、と、ひとり悦に入る!?
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