驛 舎

またまた投稿の間隔が空いてしまいました。my  favor度の高いものから順に書いているので、というわけでもありませんが。作譜した曲で未投稿のものはあと僅かですが、完成度が低く一応の完成まで持っていくのに時間がかかってます。

その中から、さだまさしを2曲。まずはこれ。1981年、ご本人の作詩・作曲。手元収録CDは「昨日達・・・」。作譜は、変ニ長調、BPM72。ピアノ、ベース、ドラムスに加え、初めてストリング・アンサンブルという弦楽器群?のパートを設定。曲調によりドラムスがあまり活躍せず、やはりどうしても弦楽器の柔らかな響きを出したかったからです。


と言いながら、2週間以上かけて1コーラス目までを何とか作譜しました。余談ですが、どうもCDの音程が4分の1ずれていて(=調性でいうとハ長調と変ニ長調の中間くらい)、サイレントピアノの音程微調整機能のお世話になりました。PCでのCD再生音とサイレントピアノの微調整音を、一方はイヤフォンで、もう一方はヘッドフォンをイヤフォンにかぶせる形で聴きながら音符を特定していくという、なかなか疲れる作業。

トレモロで静かに始まる前奏もいいですが、第1主題の3~4拍でいきなりmy  favorがやってきます。コードは、

|D♭ B♭7|E♭m E♭m/D♭|A♭|D♭ B♭|

|E♭m A♭|D♭ B♭|E♭m E♭|A♭|

この、B♭(7)がそれです。調性の変ニ長調は短音階では変ロ短調になるわけですが、それを長音階化すると変ロ長調で、これは今まで散々でてきたmy  favorパターンです。所々に効果的に散りばめられ、素晴らしい。

第2主題も不思議な印象。

|B♭m|F|E♭m A♭|D♭ F|

マイナーコードは少ないのにずっと寂しい響きが。Fが何故かマイナーコードに聴こえるのが原因かも。

そしてサビですが、これは前2主題と比べてあまりよくありません。音が無闇に跳び過ぎるのと、最後が単なる下降スケールなためか。

しかし、これまで歌詞については(ほとんど)評価の対象外、というかあまり関心がなかったのですが、この曲についてはその情景が心に染みるものがあります。歌詞に出てくる列車のタラップ、昔の手動ドアの客車は低いプラットフォームに降りるためにこれが付いていました。またふるさと訛りのアナウンスや、駅の時計を掠めて飛ぶ鳥など、かつての地方の国鉄駅を彷彿とさせる描写が。なお、小生がかつて勤務した地方からときどき都会に出るときの乗換駅の米原駅で、この曲を聴きながら昭和の雰囲気に浸っていましたが、全くはまり過ぎです。


さて、これまでなら一応の完成となるところ、どうしてもあの転調してフェードアウトするendingを記譜したい、と。

歌が終わって最後の長いコードD♭のハーモニーが、D♭音はそのままコードAに変わりニ長調へ転調するところ、何とも言えません。この箇所のコードは、

D♭|D♭|A|A|D B|Em|A7|D|

Em|A|D B|Em G|A|

ロ短調(=調性のニ長調と同じ)の長調化であるBのコード、散々出てきたmy  favorの関係。主題と同じくこの曲の肝のコード展開です。

C5552's Ownd

語り得ぬものについては沈黙せざるを得ない

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