鏡映反転

大昔(のことが多いですが)、小学校の理科? のテストで、1問だけ間違えて満点を逃がしたことがありました。その問は「鏡に映ったものは左右が逆になるか」というもので、「ならない」と回答して✖をもらいました。いまだによく覚えていて、やはり正解だったのではという気がしてならず、後日いろいろ再考(!)しました。

まず最初の結論は、左右が逆になる(ように見え)るのは、見る方角が逆だからであって、例えば、理髪店で鏡を見る場合に向く方向が東とするなら、鏡に映った(自分の後ろにある)時計の実物を見るときは振り向く(=西を向く)ことになるので、左右が逆になるように見える、というもの。実際、シースルーのスケルトンな時計(人物でもなんでもいいです)ならば、物体と鏡像を同じ方向から見れば(すなわち、物体を後ろ=裏側から見れば)左右は逆にならない(=実物の盤面の文字も裏側から見ると鏡像どおり左右反転している)。

しかし良く見ると左右ではなく前後は逆になってます。時計の針は盤面の上に付いており、上の例(後ろから見た時計)では、実物は見る人からは手前に盤面がありその先(向こう)に針がありますが、鏡像は逆です。少し修正して、では逆になるのは左右ではなく前後だろうと結論付け、やはりあの解答は間違っていなかった(なぜなら、逆になるのは前後であって、「左右」は逆にならないから)と数十年前のテストの誤判定にクレーム‥‥を付ける気はありませんが。


最近、「鏡映反転」(著者は高野陽太郎氏)という書を知って早速読み始めていますが(本稿のきっかけは、この書です)、物理的には左右ではなく前後が逆になるということは、この書の中でも述べられています(上記の時計の例の後段で前後が逆になるということは、別の書物で知ったのですが)。しかし、そうなると、なぜ上下ではなく左右反転に見えるのかは心理学的な理由だろうということで、それが当書の大部分の議論になっていて、これから読む楽しみが‥‥(読んでから書け、と)。


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語り得ぬものについては沈黙せざるを得ない

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