ハロー・グッバイ

これから哀愁女性ボーカル歌謡曲が続きます。(前々投稿の「私がブルーにそまるとき」は変ホ長調ですが、実質短調なので、そのあたりからこの流れに)

まず、柏原芳恵です。1975年、作詞:喜多条忠、作曲:小泉まさみ。発表時は唄:アグネス・チャンですが、何といっても個人的には柏原芳恵で、こちらは1981年に。手元収録CDは、「柏原芳恵NEW  BEST」。メロディーとコードだけの市販譜が手元にありますが、作譜も行いました。ハ短調、BPM144、ピアノ、ベース、ドラムスで。メロディーも和音も市販譜のおかげで、またドラムスもシンプルなので実質3日くらいで1コーラス完成。

そして‥‥。こんな簡素な音符構成(配置)なのに、何と素晴らしい響き。因みに、「喫茶店」「カップ」「行ったり」などにある促音(っ)部分は、芸を細かく、休符に置き換えて唄の感じを再現しました。


まずイントロは、わずか8小節ながら曲を象徴するような秀逸な始まり。コードは、

Cm|Fm|Cm|G7|Cm|Fm|Cm Gm G Cm|G7|

やはり秀逸なのは、マイナーの響きに聴こえるG(G7)でしょう。7小節目は1音符毎にコードが変化(しているはず)。

そして第1主題、こんなにシンプルなのに透明感溢れる曲調。

Cm|Cm|Fm|Fm|B♭7|B♭7|E♭ G7|Cm Gm G|

Cm|Cm|Fm|Fm|B♭7|G7|Cm|Cm|

ずらりと並ぶマイナーコードの谷間、(グッ)バイ・バイ・バイの箇所、E♭→G7→Cmと切れ味よく。でもやはり、B♭7も含めすべてマイナーな響きの不思議さ。

次いで第2主題。あるいはこれはサビかもしれません。

Fm|B♭7|E♭ G7|Cm|Fm|A♭|E♭|G7|

やはりmy  favorはここに。第1主題にも出てきたB♭7→E♭→G7→Cm。うち、G7を白眉に。その後の、Fm→A♭→E♭→G7の響きの移り変わりも捨てがたいです。

最後の第3(or第2?)主題も、G7ではなくGmを配し、Cm、Fmとともにすべてマイナーコードで6小節の中に簡素で透明な豊穣を凝縮。

歌詞には、春のきれいな夕日とありますが、背景の季節は絶対に、晩秋の落ち葉舞う夕暮れに違いありません‥‥と妙な独断で締め括り。ほんとうに簡素な透明感満載です。


C5552's Ownd

語り得ぬものについては沈黙せざるを得ない

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